2020年08月08日

恋の行方15

「何してる・・?」



我々に背を向け・・・

微動だにせず・・・



ひたすら窓に顔を押し当て背を向けるビニール





その姿・・・






必死に木にへばり付いている瀕死のセミの様









「コッチに来いよ」



ビニール山下ならぬビニール蝉下に優しく声をかける。







恥かしそうにコチラを振り向くビニール蝉



どうしようかなぁ〜・・


そんな顔をしながらソファーに近づく蝉人間ビニール






モジモジしながらニヤニヤ笑うムカつく蝉が一匹紛れ込んだ





いや・・・



ビニール蝉下というよりは・・










“ビニール蝉以下”

という名前のほうが合っているかもしれない。










その笑顔が妙に腹立たしいが、腹立たしいより気持ち悪いほうが優先してしまい、もう一度窓に張り付いていろと言いたいがココはグッと堪えて



大人のマナーを優先。









「何をしてるの?」

優しく問い掛ける私。







その時の私・・・

友達に話し掛けると言うよりは・・・









人間に対して心閉ざしたチンパンジーを必死に保護するボランティア団体のそれに近い状態であった。








先程まで怯えながら窓にヘバりついていたビニール蝉以下







クチ半開きの素敵なお顔で










「テーブルに座ると歌わないとイケないルールじゃん」




と一言、私に物申す。











座るのはテーブルじゃねえよ・・・





ソファーだよ。




そう言いたいのを我慢







ソファーに座ったら歌わないとイケないルールもありません。









この違った意味で危ないリアルハッピー脳内破滅型アウトローのビニール君に、お早いお帰りをオススメしたい気持ちで胸一杯であるが、歌いたくないなら黙って座っていればよい話であって、わざわざ窓ガラスにへばりつく事は一切ない気がして仕方なかった。




でも・・・そこまで歌う事を拒否されると少し興味が出てくる。









人間の嫌な部分








聴きたい・・・


ちょっと聴きたいビニールソング・・・・








そんなビニールとの会話の中、Mとリモコンの取り合いをしていたNが入れた曲が室内に流れる。






ノリの良いテンポが部屋中に響き渡る。





ウケ狙いか、飛び跳ねて歌うNを見て

「俺もそれが歌いたかった!!」

と叫び、もう1本のマイクを握り、Nと一緒に歌い始めるM






大音量で飛び跳ねながら歌うNとMを見て笑う我々・・・・






しかし、前に出て歌うNとMの視線は歌詞が映し出されているモニターでもなければ我々のほうでもなかった。






その時、私もある異変に気がついた。


posted by けつげしげる at 17:44| Comment(0) | 日記

2020年08月06日

恋の行方14

動物園から出発したバスを降り、歩いて7人で向かうカラオケ。


余計な3人プラスで向かうカラオケ・・・




私とKが歩く、その後ろに雪乃と法子ちゃん




そして、その後ろに釣竿を持った猿と犬とキジならぬバカとバカとバカ




テンション高めのNとMの声が後ろから聞こえてくる。それが非常に耳障りで時々後ろを振り返っては3人の様子を見ていた私。


あの時のバカ3人組の嬉しそうな顔を何かに例えるなら



まさに・・・












浮かれた顔した3人のハッピーセット






そんな感じであった。











カラオケ屋に到着した我々7人が案内された部屋は10人で入っても余裕で座れる広々とした部屋であった。

座った途端、私とKはグッタリした感じで遠くを見つめる。ガラステーブルを挟んで私とKの前に座る雪乃と法子ちゃん。

何故か雪乃と法子ちゃんの隣に座り“僕たち今から頑張ります!”と言わんばかりの意気込みを感じさせるNとM







その時、なぜかビニール山下はソファーに座らず、入り口付近の窓にベッタリと顔をはり付けて外を見ていた。










窓から一生懸命に外を見る山下の後ろ姿は、余命わずかの患者さんという雰囲気をかもし出していた。







病名:バカ










そんな山下を見る私の視線に気がついたMが背を向ける山下にボソリと呟いた・・



「そういえば山下・・バイクどうするの?」




ビニール山下、動物園にバイクを置いたまま我々と一緒に来てしまった模様・・


もっと早い時点で言ってやれよ。バカM




しかし、山下は一切驚いた顔もせず、




「うん、動物園だよ」


と、普通に答えた。







振り向いて余裕たっぷりに答える山下は笑顔だった・・




その顔はまさに












リアルハッピー山下





そんな感じであった。









そして、そんなことには耳も傾けず、必死な顔をして曲を選ぶN




すると突然、歌いたい曲が決まったNと、一番最初に歌いたいMがリモコンの取り合いを始めた。






物凄い醜い顔をしてリモコンを取り合うNとM・・・







ジャンケンで決めろよとKが助言


結果、ジャンケンでMが勝利




勝利してから曲を選び始めたMに怒りを感じたNが再びMからリモコンを奪う。





それに抵抗したMの肩を殴り、リモコンを奪い取るN







次の瞬間、Nに肩を殴られて怒ったMがNに反撃


声高らかに必殺技を叫びながらNに反撃












「宇宙絶滅パンチ!!」




















そう叫びながらNの肩を叩き返すM・・・



この間は宇宙爆破パンチで・・

今回は宇宙絶滅パンチか・・




宇宙が絶滅した時点でオマエも絶滅だM・・






大騒ぎするNとMを止める私とK・・・

迷惑そうな顔をして驚いている雪乃と法子ちゃん

そして・・・相変わらず窓から外を見る山下







ところで山下君・・あんた、さっきから何見てるの?
posted by けつげしげる at 21:21| Comment(0) | 日記

恋の行方13

ゆっくりとコチラに近づいてくるビニール山下

その顔はまるで・・




壊れた機関車トーマス








「待っていろと言ったのに・・」とMがボソリと呟いていたのを私は聞き逃さなかった。

どうやら、こちらの様子を伺いに行こうとNの所まで来たMは離れている間に我々が裏門から出てはマズイと思い、裏門の木陰でビニールを待機させていたのだが、ちっとも話が理解出来ない賢い機関車山下は遠くに行ってしまうMを見て後ろからノコノコとついてきてしまったらしい。



仲間が発車する姿を見て自分も出発したかったのだろう・・・機関車山下



脱線すればよかったのに・・・機関車山下




Nは正門で待機、Mは裏口で我々が出てくるのを見張っていたのだ。M君、小声でタネ明かし





本気で帰ってほしい余計な3人が我々の目の前に集合


心の中で必死に堪える私とK





私の、あの時の気持ちを何かに例えるなら、新婚ホヤホヤの新居に突然やって来た姑に困惑する新妻の気持ちであろう。


しかもその姑が世界クラスのバカなのだから新妻ショックで緊急入院


姑が他界するのを待ちわびる新妻のKと私




それとは対照的に何事もない顔をして私達の前に立っている巨匠3人




不自然な3人の釣りバカ日誌達

笑顔の釣りバカ日誌達


どっから見てもバカは正解!






竿は全てN宅の物置で見た事がある釣竿であった。


意地でも釣堀に行っていたことを主張したかったのだろう・・・

それがあまりにも不自然であるから物凄く腹が立つ



Nの持っている釣竿は一般的に釣堀などで使用出来る、伸ばすと3mほどの長さになり、中にしまうとコンパクトになる竿であったが、Mの持っている釣竿はルアー釣り用のリール竿であった。





そして山下の持っている釣竿・・・

ものすごいデカいリールが搭載された磯釣り用の竿である。



竿にはデッかく








[磯釣りDX]








そんな竿を持ち込んで釣堀で釣りをするヤツはいない。


そのデカい竿を持って、あの小さな釣堀に行ったら伝説になるだろう・・












本物の釣りバカとして!











手ぶらで来た方が不自然ではないことに気が付かないのか?Mとビニール・・・



Nが竿を持って出かけたのを見て二人とも便乗して竿を持って出たのだろう。







釣られバカ日誌2人





雪乃「じゃあ、そろそろ向かう?」


M「そうだね!ところで何処へ?」


何も内容を知らないのに真っ先に答えるM。





オマエ喋るな





カラオケに行く事を伝えると、当然のごとく行く気満々のM・・・その隣りで何故か半笑いの顔でうなずくビニール

もはや一緒に行く事が当然の事のようになっている場の雰囲気にいささか不満ではあったが、法子ちゃんはKのことをかなり気に入っている様子であるし、特に問題もなかろう。

そして我々は動物園から離れ、7人でカラオケに一緒に向かうことになる。
posted by けつげしげる at 21:19| Comment(0) | 日記